中共スポークスマンが社説で日本批判

日中対話 政治家の姿を見たい

協議のなかで、日本のメディアが中国の否定的な面ばかりを報じると中国側が不満を示した。「良い報道がなされるよう中国はメディアを指導している。日本政府も指導すべきだ」と述べたという。


日本の一部のメディアに、眉をひそめるような感情的な中国攻撃があるのは事実だ。もっと前向きな報道が増えるよう良好な関係にすべきだというなら大賛成だが、政府がメディアを「指導」することは民主国家では許されない。

中国でも環境汚染などで当局を批判する報道が出てきた。自由な言論は民主主義の根幹であることを改めて指摘しておきたい。

急成長する中国との間では、さまざまな面で摩擦が避けられない。アジアにおける主導権争いも絡んでくる。双方で高まりつつあるナショナリズムとどう折り合いをつけ、両国関係の土台を固めていくかは政治家の仕事だろう。

このところ日中の交流に政治家の姿が見えないのは寂しい限りだ。官僚の協議も大事だが、一日も早く外相や首脳の対話を実現させてもらいたい。

【主張】日中協議 報道規制はできぬ相談だ

中国は日本理解が足りないのではないか。言論の自由が許されていない共産党独裁国家の中国と違って、日本では報道規制はできない相談だ。中国は、自国の価値観を他国に押し付けることがいかに非現実的かを分かっていないわけではないだろうに。

肝心のガス田問題で、中国は日本の共同開発案に難色を示し、次回協議で新提案を行うとした。その一方、中国はガス田と結ぶパイプラインを建設し、民間機を装った中国軍機に偵察飛行させるなどして、自国だけで開発を進めている。

協議しながら開発を続けるのは、中川昭一・前経済産業相が指摘したように「右手で握手しながら左手で殴るようなこと」だ。中国の既成事実化を許さないために、日本は試掘の準備をさらに急ぐべきだ。

朝日と産経の主張を比べてみてください。